Loading…
 

スポンサーサイト

Posted by arnoldkillshot on --.-- スポンサー広告
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

ネブラスカ ふたつの心をつなぐ旅/遠い、けどたどり着けないこともない

Posted by arnoldkillshot on 03.2014 映画タイトル:な行 0 comments 0 trackback
『ネブラスカ ふたつの心をつなぐ旅(原題:Nebraska)』
2013年 アメリカ
監督:アレクサンダー・ペイン
脚本:ボブ・ネルソン
音楽:マーク・オートン
出演:ブルース・ダーン、ウィル・フォーテ、ジューン・スキッブ、ボブ・オデンカーク、ステイシー・キーチ、ランス・ハワード、アンジェラ・マキューアン 他


あらすじ:
家電品店で働くデイビッド(ウィル・フォーテ)はある日、警察に保護された父ウディ(ブルース・ダーン)を迎えに行く。何でも、100万ドルが当たったといううさんくさい知らせを受け、はるかネブラスカ州リンカーンまで歩いて賞金を受け取りに行くというのだ。母ケイト(ジューン・スキッブ)、兄ロス(ボブ・オデンカーク)が何度止めても勝手に歩いていこうとする父を見かねたデイビッドは、インチキだと納得するまで付き合うことに――かくして約1500㎞離れたネブラスカ州まで旅することになった父子だが、長年疎遠だった二人は旅の間もなかなかかみ合わない。その夜、酔っぱらったウディが頭を縫うほどのケガをしてしまい、途中にあるネブラスカ州ホーソーンの実家に立ち寄り、ケイトやロスと合流することになる。ウディの帰郷と100万ドルが当選したという知らせは叔父一家やウディの元共同経営者エド(ステイシー・キーチ)をはじめ瞬く間に小さな町に広がり、ちょっとした騒ぎを引き起こす。一方デイビッドは今まで知らなかった父の側面を発見することになるが……
感想:
等身大の人間や身近な絆、ささいな心の機微をストレートかつハートウォーミングに描くアレクサンダー・ペイン監督が、全編モノクロでシンプルに描いた親子2人のロードムービー。ジャック・ニコルソンやジョージ・クルーニーのような大スターも、この人の手にかかればありふれたダメ人間に早変わりしてしまうんですが、今回も大御所ブルース・ダーンマジでボケてしまわれたんじゃないかと心配になってくるほどのリアルな演技で、ボケかけた頑固なおじいちゃんになりきっています。そんな頼りなくも愛おしい彼の姿には、大人になった我々の心に迫るものがあります――ある人は親を思い、ある人は子を思い、この映画の父子と同様に、親子の心の距離が近くなると思います。

冒頭、車が往来する高速道路で、ひとり歩き続ける老人の姿。彼以外のものが猛スピードで走り去っていくのに、おぼつかない足取りでゆっくりと歩き続けるその姿は、頼りなげで滑稽で愚直で、なんとなく哀れでなんとなく懐かしい感じがします。その老人ウディは、100万ドルが当選したという手紙を信じ、はるか遠くのネブラスカ州リンカーンまで歩いてでも行こうとしていたのでした。息子のデイビッドロス、妻のケイトはインチキだと言って止めようとするのですが、元来の頑固さからか、はたまた長年の飲酒でボケかかっているのか、ウディは聞き入れようとしません。そんな父を見かねたデイビッドは、自分が車でウディをネブラスカまで連れていくことに――彼もちょうど恋人(ぽっちゃり)と別れたところで、寂しさと父との距離を埋めるいい機会だったのです。かくして自立した息子と頼りなくなった老いた父の珍道中が始まります。

しかし親子と言えど長年疎遠だった二人の距離が、そう簡単に縮まるわけもなく。観光してもつまらなさそうにするわ、酒を飲んで転んだ上に入れ歯をなくして探し回る羽目になるわで、それどころじゃありません。そんなこんなで旅の途中で同じくネブラスカ州ホーソーンにあるウディの実家にしばらく世話になることにするのですが、そこでもウディの賞金をめぐって大騒ぎ。前科者のいとこ2人も、ウディの元共同経営者エドも、みんなが目の色を変えて100万ドルに食いつきます。いくら止めても聞かない(聞こえてない?)ウディと、そんな父に手を焼かされっぱなしのデイビッド。しかしこの父の故郷で、彼は父の知られざる側面に触れることになります。

考えてみれば妙な事ですが、子供にとって親は親でしかなく、彼らが自分の親になる前があることに気付くのはかなり後になってからです。デイビッドの場合は特に父が無口なので、彼が知っているのは酒飲みで頑固な彼の姿だけで、それはどうしようもなく不変なものと見えていた。しかし母ケイトのあけっぴろげすぎるぶっちゃけ話や父の昔の恋人との出会いなどから、デイビッドはウディが自分の親として腰を落ち着けるまで、様々な思い出あるいは喪失を経験してきたことを知ります。誰もが「なんで父さん/母さんはああなんだろう!」と思った経験があるかと思いますが、デイビッドはその答えを、このネブラスカの小さな町で見つけます。父を酒に走らせた苦しい過去、頑固さをより強めた喪失感――自分が生まれてくる前の父の過去を知り、一人の人間として眺めたことで、デイビッドは初めて父を理解したのです。それはデイビッドの行動を変えます。2度目の探し物は、呆れながらの世話焼きではなく、心からのものです。

ですが未だにわからないことが一つ。なぜウディは100万ドルにこだわるのか?デイビッドの心境の変化を察してか、ウディはついに口を開きます、その答えが明らかになったとき――親の立場であれ子の立場であれ、観客はきっと「ああ、なんてバカなんだろう」と、しんみり感じるはずです。そんなこと、どうして言われなきゃわからなかったんだろう。そんな夢、どうして捨てられないんだろう。しかしそれは、とても心暖かな感情です。そして「親の心子知らず」の、永遠にも思われる距離が消えた時、今度は子が親に心を伝える番に。そのとき子を持つ親は救われるのでしょう。

親は子を、子は親を取り換えられない。親子とは絶対的で不条理な関係ですが、心を通わせて互いを理解したとき、その不条理さの謎は解け、縮まった二人の距離には温かさが生まれます――悲しいことに、それにはずいぶん時間がかかりますが。それを理解させてくれるこの『ネブラスカ』は間接的に観る者の親子の距離を縮めてくれます。その感動が一方的なものでもいいんです、その思いを相手に伝えて寄り添おうとするなら、届かないこともないはずだから。


以上で『ネブラスカ』のレビューを終えます。
ブルース・ダーンのボケ演技も凄かったですが、いかに町の男たちが自分の股間を狙っていたかをしゃべりまくるカーチャン役のジューン・スキッブがオスカー候補も納得の面白さ。あと音楽も哀愁があって素敵でした。

関連記事
スポンサーサイト


  • 管理者にだけ表示を許可する

trackbackURL:http://killshot.blog65.fc2.com/tb.php/287-5f6c6665

プロフィール

arnoldkillshot

Author:arnoldkillshot
ブログの説明:
私Arnold Killshotが好きな映画、音楽、本について紹介していくブログです。
主なコンテンツは
①劇場・DVDで観賞した映画のレビュー(主に洋画、ホラー映画)
②洋楽の歌詞の翻訳とビデオの紹介
③読んだ本の紹介
④海外記事の翻訳(新旧問わず、インタビュー記事など)
などです。コンテンツは徐々に増えていくかもしれません。

Twitter

タグ検索

全記事表示リンク

カウンター

アクセスランキング

[ジャンルランキング]
未設定
--位
アクセスランキングを見る>>

[サブジャンルランキング]
未設定
--位
アクセスランキングを見る>>

FC2アフィリエイト

人気ページ

検索フォーム

QRコード

QR
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。