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『ザ・ファイター』(原題:The Fighter)

Posted by arnoldkillshot on 14.2011 映画タイトル:さ行 2 comments 1 trackback
今日観てきました、『ザ・ファイター』。実話だとわかっていながら、ここからどうなってしまうのだろうと手に汗握って観ていました。
感想は続きからどうぞ。


『ザ・ファイター』(原題:The Fighter)
2010年 アメリカ
監督:デヴィッド・O・ラッセル
出演:マーク・ウォルバーグ(兼製作)、クリスチャン・ベール、エイミー・アダムス、メリッサ・レオ 他

あらすじ:
かつての天才ボクサーで今は麻薬に溺れる兄ディッキー・エクランド(クリスチャン・ベール)と3流ボクサーの弟ミッキー・ウォード(マーク・ウォルバーグ)。マネージャーの母(メリッサ・レオ)とセコンドの兄の組んだ試合でミッキーは負け続けていた。
そんな中ミッキーはバーで働くシャーリーン(エイミー・アダムス)と出会い二人は付き合い始めるが、母や大勢の姉たちは彼女を目の敵にする。一方ディッキーはチンピラじみた犯罪のせいで警察に捕まり、兄を守ろうとしたミッキーも拳を潰される。
ミッキーは保釈されるがディッキーは監獄へ。さらにTVでは麻薬におぼれるディッキーを撮影した番組が。あきらめかけたミッキーだが、シャーリーンや父らの支えによりボクサーとしてやり直す。その条件は厄介者―母と兄を外すこと。新たに始めたミッキーは連勝を重ね、一方目を覚ましたディッキーも監獄の中でトレーニングを重ね、届かなくてもミッキーに声援を送り続ける。
ミッキーは世界タイトルマッチへトレーニングを重ねるころ、ディッキーが出所する。ディッキーは再び弟のセコンドにつくつもりだったが、ミッキーにはもう彼を関わらせないという条件があった。しかしミッキーは兄を必要としていた。そして兄弟は世界タイトルマッチに臨む…
感想:
この作品の製作に4年半待ちながらトレーニングを重ねたマーク・ウォルバーグと、体重減量だけでなく髪の毛を抜き歯並びまで変えた我らが役者バカのクリスチャン・ベールが、負け犬から這い上がった実在のボクサーの兄弟を演じたこの『ザ・ファイター』。
実話であるという要素と役者たちの熱演、そして主人公の兄弟たちが味わう惨めさとそこから這い上がろうとする思いに対する共感という、3重のリアルさが非常に説得力を持っています。なので私があまり語ることも無いので、今回は感想だけ簡単に述べておきます。

この映画のテーマになっているのは信頼と依存の違いではないかな、と感じました。主人公の兄弟も母親や姉妹たちも皆深い絆を持ってはいるのですが、それでも映画の前半にもどかしいほど彼らがダメに見えるのはそこをはき違えているせいではないか、と。彼らは互いにとても大切な存在なのですが、兄の天才を評価するあまり3流の弟はあくまで踏み台と思っており、皆それに見合う扱いしかしてこなかった。弟のミッキーは勝ちたくてもその状況を打破できず、兄ディッキーも惰性的な生活にどっぷりはまってしまっていて、抜け道を見いだせないでいます。そこにミッキーの恋人シャーリーンが現れ彼を救おうとしますが母たちはそれに敵意をあらわにし、兄の惰性も足を引っ張って結局兄の刑務所行きと弟の挫折という最悪の結果になってしまいます。
しかしどん底まで堕ちたとき、兄弟は変わり始めます。ミッキーは新たな支えとともに勝利を重ねていき、ディッキーもTVに映し出された堕落した自分の姿を見て鍛え始めます。惨めさのどん底に堕ちたら、あとは光の見える場所へ上っていくしかないというわけです。その光によって、兄弟はそれぞれ今まで見えてこなかったものをとらえます。互いに依存を克服し、ミッキーは勝利を、ディッキーは自分の鋭さを取り戻していきます。リングと監獄、二人は離れているけれど同じものを求めて心を重ねます、すなわちミッキーの勝利を。
そしてディッキーが出所し二人が再会した時、ひと悶着はあったもののかつてのもどかしい依存関係ではなく、互いの力を必要とし互いを信じる本当の信頼関係をつかみます。それは兄弟二人だけでなく家族や恋人、支えてくれる人たちに、ただ互いの関係によりかかるだけでなく本当に必要としているという思いが重なったからでしょう。そして周囲は心を一つにしてミッキーの世界タイトルマッチへ向かうのです。

ボクシングの試合のシーンは圧巻です。本物の試合のようなボクサーの動きや実際のTVの試合と同じような映像とカメラワークが、実際に今行われている試合を見ているような興奮と臨場感をもたらしています。そのリアルさと手に汗握る興奮は、観客とスクリーン上の人物たちの気持ちを一つにしてしまうくらい圧倒的で目を見張ります。だからこそ勝利のカタルシスも大きいのです。
弟ミッキーを演じるマーク・ウォルバーグはそのボクシングの動きも実在の人物の繊細な感情も非常にうまく演じていて、彼の演じるディッキーという人物に感情移入せずには居られません。個人的な話で恐縮ですが、マーク・ウォルバーグは以前は何となく好きな俳優ではなかったのですが、『ラブリー・ボーン』の優しい父親役や今回の演技を見てすっかり好きな俳優になってしまいました。
クリスチャン・ベールは役作りのための肉体改造の結果も相まって彼の演じるディッキーというイカれた人物に完全に憑依しています。痩せたり髪の毛抜いただけじゃなくクスリまで試したんじゃないかしらと心配になるくらいです。わたしは彼のあの何かに取りつかれたような強迫的な目が好きなのですが、今回もその目の演技がすごかったと思います。陽気なようでどこかうつろな笑顔や麻薬でうっとりしたまなざし、トレーニング中の鋭い眼や試合を見守るときの爆発したような眼など…とにかく筆舌に尽くし難い彼の存在のリアルさは圧巻で、この問題だらけのディッキーという人物をそのまま受け入れてやらなければならないと思わせるほどです。
また男たちの戦いの一方で繰り広げられる支える側の女たちの戦いも壮絶です。メリッサ・レオ演じる母親の姿は憎たらしいほど過保護で気が強く、同時にそれが強い愛情からきているものだと納得させる面もあり、一概に兄弟たちの足を引っ張っているだけの存在ではなく彼らにとってとても大切な母親なのだということを体現していました。そんな母親や姉妹たちに立ち向かいミッキーを支えるシャーリーンを演じるエイミー・アダムスも、彼女の強さと愛情深さと人生の諦めの影をたたえたその姿はとてもリアルだと感じました。

絆の持つ両側面、依存のもたらす惰性と信頼の強さ、そしてどん底から見える光のもたらす強さをこの映画から学んだ気がします。
そんなわけで、『ザ・ファイター』の感想を終えます。
明日はカズオ・イシグロ原作の『わたしを離さないで』を見てきますね。


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友達と見ました。

今回は厳しいコメントに なります。

問題児な母親と兄貴でしたね。母親を演じたメリッサ・レオがアカデミー賞の助演女優賞と兄貴を演じたクリスチャン・ベールが助演男優賞を受賞した演技力は さすが!

・・・が、ウォルバーグ演じるミッキーに関わりすぎたために重荷にさせてだいぶチャンスを潰したのは まぎれもない事実。急遽代役の相手選手は体重差がありすぎな無茶な対戦を組ませたり  特に兄貴は 薬や暴力沙汰で 足をひっぱりまくって・・・・

 ミッキーは家族に甘過ぎですよ!それが元で前の奥さんと別れて娘との親権も無いんでしょうし、トレーナーや恋人のシャーリーンにも散々迷惑かけて・・・・

 "家族は家族、 ボクシング・ビジネスはボクシング・ビジネス"の区分けはしないと・・・・

 ボクの小さいときの知り合いのレストランのご主人とその息子さんもそうでしたが 息子さんが後を継ぎたいと言った時 父親であるご主人は・・・

 "よそで メシ食ってこい"と言ったそうです。身内がそばばにいては しがらみや甘えが出て 腕を磨くのに妨げになるから よそで修業して一人前になってこいって事です。

 母親と兄貴は そう言うべき立場なんです!
2012.09.10 23:16 | URL | zebra #JyN/eAqk [edit]
>zebra様
初めまして、コメントありがとうございます。
ベイル演じる兄貴はダメ人間だけどどこかカリスマ的な魅力がありましたが、メリッサ・レオは本当に憎たらしいほどの演技力でしたね。「このババア…」と思うたびに「いや、それだけ素晴らしい演技なんだ」と怒りを抑えるのが大変だったのを覚えています(笑)。
おっしゃる通り、この家族は身内だけでやっていたからダメだったのでしょうね。絆に甘えてウォルバーグ演じるミッキーを苦しめ、絆に依存して金を稼ぐ……もうダメダメなのに互いに寄りかかっているから、可能性も無駄にしてしまうという負の連鎖。だからエイミー演じる恋人とのぶつかり合いが外からの風になって、最後にミッキーの勝利につながったんだと思います。彼女がキレるところでようやく観客の溜まりに溜まった鬱憤が張らされた感じでした(笑)俳優の演技合戦になる映画は、感情的に悶々とするものが多いですね。
2012.09.13 03:47 | URL | arnold_killshot #JyN/eAqk [edit]


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家族と別れて成功したとして、果たして彼は幸せになれるだろうか? 勝利の瞬間、そこに喜びを分かち合う家族はいないのだ。家族を選ぶか、成功を選ぶか、それとも両方を手にするか? 兄弟愛に泣く、お薦め作品だ。

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私Arnold Killshotが好きな映画、音楽、本について紹介していくブログです。
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③読んだ本の紹介
④海外記事の翻訳(新旧問わず、インタビュー記事など)
などです。コンテンツは徐々に増えていくかもしれません。

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